それだけROSも日本でメジャーになったということですね。
工学社さんから、著者は私です。
タイトルは「ROSではじめるロボットプログラミング」ということで、
「ロボットプログラミング」をこれから始める人向けに書きました。
書籍まるまる書くのは初めてで、なかなか要領をえなかったですが、なんとか出版されたようです。
このBlogができたのが2009/01なので、(他人ごとの感覚ですが)私にとってはやっと出たか、という感じです。
ROSの本はなかなか出なかったのにはいくつか理由があると思います。
・そもそも日本でROSが流行っていなかったこと
・そもそもロボットプログラミング人口が非常に少ない
・公式ドキュメント(ROS Wiki)が非常に出来がよいため書籍を必要としない
わたしは3番目が一番大きかったと思います。最近は日本語約も結構されているようですし。
このBlogの読者(特に更新されてすぐ最新記事を読んじゃうようなあなた)は、ROSを勉強する、というよりはもう教える立場になっている人が多いと勝手に想像しています。
ROSを教えて下さい!と言われたら、
「「wiki.ros.org」読めば分かるよ」
なんて言っておけば大体、こと足りたのではないでしょうか?
私も経験があります。そしてそれは大抵の場合正しいです。
この本は、「wiki.ros.org」読めば分かるよ、って言ってくれる人が周りにいない、もしくは、読んでも分からない、読み方がわからない、という人をターゲットに書きました。
プログラムの本って、書籍よりWebで読むほうがコピペしたり、ソフトダウンロードしたり、便利ですよね。まあ、普通そういうものはフリーで公開されていないので書籍を買うんだと思いますが、ROSの場合は完全フリーで提供され、内容も充実している。
その状況で本の利点って、
・完全に日本語で読める
・読む順序が決まっているので悩まない
ってあたりだと思うわけで、
・英語に慣れていない
・どこから調べていいかピンとこない
という人には書籍という形もありなのかなー、と思ってこういう企画にしました。
なので中身は
・前半はROS Wikiの焼き直し(より簡単に、より面白くしたつもり)
・後半の応用もそんなに深い内容じゃなく広く浅く
という感じです。
つまり、玄人のあなたがガチで読むためにはおすすめしません。
(もちろん初心者にはおすすめします)
一方で、玄人のあなたが、初心者(特に英語、ロボットにうとい人)に「教えて」と言われたときには、ROS Wikiよりもおすすめできるドキュメントだと思っています。
なので、どちらかというと、玄人のあなたは買わなくてもいい(もちろん買ってもいいです、いや、買ってください)ので、ぜひぜひ周りの新人さんにおすすめしていただけるとうれしいなぁと思っています。
また、本書では一切の実ロボットが出てきません。(シミュレータではもちろん出てきます)そのため、PCさえあれば誰でも楽しめちゃう内容です。なんだ、実ロボット出てこないんじゃ面白くない、と思う人も多いと思うのですが(私もどちらかというとそっちですが)、本書はそういう内容にすることで間口を限りなく広くしようとする挑戦です。
(ロボットプログラミング人口が増えないのはハードウェアを必須とするせいでもあると思うのです)
ということで、ここまで読んで、「なんだ、じゃあいらない」という人も正直多いかと思いますが、正直に書きました。(タイトルで大体想像つくとは思っているのですが念のため)
ご理解の上、ご検討をお願いします!